『メットガラ』にみる華やかさの裏側にある美しさ

The First Monday in May Official Site

『メットガラ』というNYのメトロポリタン・ミュージアム(=MET、通称メット)で毎年5月の第一月曜日に行われるメットガラというファッションイベントとその舞台裏を描いたドキュメンタリー映画を観てきました。

お立ち寄りくださった親愛なるみなさま、こんにちは、Emi(@holopopoJP)です。

メットガラとは、US版VOGUEの編集長であり、メットの理事でもあるアナ・ウィンターが、メットの服飾部門の活動資金を調達するために主催している世界最大のファッションイベントで、そのパーティーの席料は1人あたり25,000ドルといわれています(それが活動資金に充てられるというわけ)。

わたしがこの作品を観ようと思ったのも、このイベントに出席するセレブを見たいというのと、その席順を決めるシーンで「このテーブルははずれね」とアナ・ウィンターが言っているという話を聞いておもしろそうだと思ったからというゴシップへの興味だったの。

ミーハーでしょ。

でもね、もちろんすてきなドレスを身に纏ったセレブたちが一堂に会するシーンは圧巻だけれど、それ以上にもっと議論を投げかけてくれる作品でした。

アナ・ウィンターの魅力

『プラダを着た悪魔』で一躍誰もが知る人となったアナ・ウィンターだけれど、この作品でもみんなが思い描く通りのアナ・ウィンターでした。

でも、ビジョンが明確で、ブレがなくて、ユーモアがあって、ここまで登りつめた理由がやっぱりわかるっていうシーンがたくさんありました。

それに少し映る自宅や部屋着なんかもすてきなの。

そして彼女は、ハイカルチャーと大衆文化をミックスさせるのが上手と描写されていて、そういうビジネスの嗅覚というかセンスというのが作品全体にあふれ出ていました。

アートやファッションに対する議論

ミックスといえば、この年(2015年)のメットガラのテーマは、「鏡の中の中国(China: Through The Looking Glass )」。

アジア美術部門との共同企画で、”東西の終わりなき対話”をコンセプトに、中国に魅せられた西欧デザイナーの作品が展示されました。

これについても、中国との政治的に微妙な問題や、西欧が「思い描く(現実の中国とはまた別の)」中国になっていないかとか、なぜテーマとして過去の中国ばかり取り上げて現代の中国をないがしろにするのかとか、そういう完全な正解のない議論が描かれていて、とても興味深かった。

もうひとつの議論の軸となったのは、ファッションはアートかという問い。

それぞれの思いがあって、結論を出すわけではない、この「議論をする」ということの大切さというのがわたしの心に残りました。

その議論の場で特に印象的だったのが、大好きな映画監督であるウォン・カーウァイのことば。

But try not to make the show too busy. Because seeing too much is seeing nothing.
多くを見せすぎるのはよくない。何も見ないのとおなじになってしまう。

今回彼は、展示の芸術監督として参加しているの。

彼の作品はね、常々「行間がある」って思っていたから、この発言と通じるものがあって、ストンと腑に落ちました。

展覧会と出席者の豪華絢爛な一大ショー

レッドカーペットは、豪華な衣装で登場するセレブリティが次から次へと登場して、これだけでも確かに観ていて興奮しました。

昨年6月に亡くなった、ニューヨークタイムズのファッションフォトグラファー、ビル・カニンガムの姿も見えて、胸が熱くなりました。ほんの一瞬だけれど。

そして展覧会も見事。

わたしは特に、ポーセリアン(青磁)からインスピレーションを授かったドレスの展示が気に入りました。

あと、今回の主役のひとりといってもよいメットの服飾部門の主席キュレーターであるアンドリュー・ボルトンが、最後ひとりで展示物を見回るシーンがあるのだけど、彼のファッションとアートに対する愛情が感じられるとてもすてきなシーンでした。

特に、あるドレスのドレープを美しく見せるために何度も納得いくまで自分で直すところがほほえましかった。

エンドロールがまたおしゃれで。

観終わった直後は邦題に疑問を持ったものだけど、わたしもゴシップ的に観ようとしてたから、人のこと言えない立場だったね(ちなみに原題は”The First Monday in May”)。

ところで、今年2017年のメットガラのテーマは、コム・デ・ギャルソンのデザイナー、川久保玲だそう。

The 2017 Met Gala Theme Will Be Comme des Garçons’s Rei Kawakubo

The Metropolitan Museum of Art has announced the new theme for its 2017 Costume Institute exhibition and Met Gala 2017: “Rei Kawakubo/Comme des Garçons.” Opening on May 4, the show will be the first at the museum to focus on a living designer since its Yves Saint Laurent exhibit in 1983.

映画で取り上げられた2015年と同様、アンドリュー・ボルトンとアナ・ウィンターの強力タッグによる企画です。

展示の一般公開は5月4日から。

いつかわたしも行ってみたいなあ。

それでは、今日という日がみなさまにとってすてきな1日でありますように。

かしこ。


音楽もかっこいい。
(ちなみにジャケット画像が、わたしがキュンとした、アンドリューがドレスのドレープを直しているところ!)

アナ・ウィンターのドキュメンタリーなら、こちらもあります。

作品情報はこちらをチェック。
ファッションが教えてくれること(字幕版) – J・カトラー・R

ウォン・カーウァイに興味を持ったら、ぜひ観てほしい。

作品情報はこちらをチェック。
恋する惑星(字幕版) – ウォン・カーウァイ

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